令和2年税制改正 所得税関係

下記は、国税庁「令和2年分 所得税の改正のあらまし」を基に主な改正事項を抜粋し記述しております。

 この「改正のあらまし」は、次の目次となります。
├1 令和2年度の主な改正事項
├2 新型コロナウイルス感染症等の影響に対応するための国税関係法律の臨時特例に関する法律における主な措置
├3 令和元年度の改正事項のうち、令和2年分の所得税から適用される主なもの
└4 平成30年度の改正事項のうち、令和2年分の所得税から適用される主なもの

1 令和2年度分の主な改正事項

1 所得控除等関係

(1)ひとり親控除の創設
 ① 居住者がひとり親(現に婚姻をしていない者又は配偶者の生死の明らかでない一定の者のうち、次に掲げる要件を満たすものをいう。以下同じ。)に該当する場合には、ひとり親控除として、その者のその年分の総所得金額等から35万円を控除する。
 イ その者と生計を一にする子(他の者の同一生計配偶者又は扶養親族とされている者を除き、その年分の総所得金額等の合計額が48万円以下のものに限る。)を有すること。
 ロ 合計所得金額が500万円以下であること。
 ハ その者と事実上婚姻関係と同様の事情にあると認められる次に掲げる者がいないこと。
 (イ)その者が住民票に世帯主と記載されている者である場合には、その者と同一の世帯に属する者の住民票に世帯主との続柄が世帯主の未届の夫又は未届の妻である旨その他の世帯主と事実上婚姻関係と同様の事情にあると認められる続柄である旨の記載がされた者
 (ロ)その者が住民票に世帯主と記載されている者でない場合には、その者の住民票に世帯主との続柄が世帯主の未届の夫又は未届の妻である旨その他の世帯主と事実上婚姻関係と同様の事情にあると認められる続柄である旨の記載がされているときのその世帯主
 ② 上記①のひとり親控除は、給与等及び公的年金等の源泉徴収の際に適用できる。

(適用関係)上記①の改正は、令和2年分以後の所得税について適用されます。
上記②の改正は、令和3年1月1日以後に支払うべき給与等及び公的年金等について適用されます。なお、給与所得者については、令和2年分の年末調整においてひとり親控除を適用できることとする経過措置が講じられています。

(2)寡婦控除
 次の見直しを行った上で、従前の寡婦(寡夫)控除を上記(1)のひとり親に該当しない寡婦に係る寡婦控除に改組するとともに、寡婦控除の特例が廃止されました。
 ① 扶養親族を有する寡婦についても、上記(1)①ロの要件を追加する。
 ② 上記(1)①ハの要件を追加する 。

(適用関係)この改正は、令和2年分以後の所得税について適用されます。

次の表は、財務省「令和2年度 税制改正の解説」を参照

改正前後の控除額

(3)日本国外に居住する親族に係る扶養控除について、次の措置が講じられました。
 ① その対象となる親族から、年齢30歳以上70歳未満の非居住者であって次に掲げる者のいずれにも該当しないものを除外する。
 イ 留学により国内に住所及び居所を有しなくなった者
 ロ 障害者
 ハ その適用を受ける居住者からその年において生活費又は教育費に充てるための支払を38万円以上受けている者
(注)上記イ又はハに掲げる者に該当するものとして扶養控除の適用を受ける場合には、従前の親族関係書類(上記イに該当する場合については従前の送金関係書類も含みます。)に加え、次の書類を確定申告書に添付又は提示する必要があります。
 上記イに掲げる者に該当する旨を証する書類・・・・・・外国政府又は外国の地方公共団体が発行した留学の在留資格に相当する資格をもって外国に在留することにより非居住者となったことを証する書類
 上記ハに該当することを明らかにする書類・・・・・・送金関係書類でその親族への支払金額が38万円以上であることを明らかにするもの
 ② 給与等及び公的年金等に係る源泉徴収税額の計算において、年齢30歳以上70歳未満の非居住者である親族が上記①イに掲げる者に該当するものとして扶養控除に相当する控除の適用を受ける居住者は、その非居住者である親族が上記①イに掲げる者に該当する旨を証する書類等を提出等しなければならないこととするほか、給与所得者の扶養控除等申告書等の記載事項について所要の整備を行う。
 ③ 給与等の年末調整において、年齢30歳以上70歳未満の非居住者である親族が上記①ハに掲げる者に該当するものとして扶養控除に相当する控除の適用を受けようとする居住者は、その非居住者である親族が上記①ハに掲げる者に該当することを明らかにする書類を提出等しなければならない 。

(適用関係)この改正は、令和5年分以後の所得税又は令和5年1月1日以後に支払を受けるべき給与等及び公的年金等について適用されます。

(6)確定申告書等の記載事項
 確定申告書等に記載する各種所得の生じた場所は、その支払者が法人である場合、支払者の本店等の所在地の記載に代えて、支払者の法人番号の記載によることができること等の措置が講じられました。

(適用関係)この改正は、令和3年分以後の確定申告書等を令和4年1月1日以後に提出する場合について適用されます。

(7)医療費控除の適用を受ける際の確定申告書の添付書類
 ① 医療保険者の医療費の額等を通知する書類の添付に代えて、次に掲げる書類の添付ができることとする。
 イ 審査支払機関(社会保険診療報酬支払基金及び国民健康保険団体連合会をいう。以下同じ。)の医療費の額等を通知する書類(当該書類に記載すべき事項が記録された電磁的記録を一定の方法により印刷した書面で国税庁長官が定める一定のものを含む。)
 ロ 医療保険者の医療費の額等を通知する書類に記載すべき事項が記録された電磁的記録を一定の方法により印刷した書面で国税庁長官が定める一定のもの
 ② 電子情報処理組織を使用する方法(e-Tax)により確定申告を行う場合において、次に掲げる書類の記載事項を入力して送信するときは、これらの書類の確定申告書への添付に代えることができることとする。この場合において、税務署長は、確定申告期限等から5年間、その送信に係る事項の確認のために必要があるときは、これらの書類を提示又は提出させることができることとする。
 イ 医療保険者の医療費の額等を通知する書類
 ロ 審査支払機関の医療費の額等を通知する書類

(適用関係)この改正は、令和3年分以後の確定申告書等を令和4年1月1日以後に提出する場合について適用されます。

(8)寄附金控除の適用を受ける際の確定申告書の添付書類
 特定寄附金を受領した者の特定寄附金の額等を証する書類に代え、地方公共団体と寄附の仲介に係る契約を締結している一定の事業者の特定寄附金の額等を証する書類の添付等ができることとされました。

(適用関係)この改正は、令和3年分以後の確定申告書等を令和4年1月1日以後に提出する場合について適用されます。

2 事業所得等関係

(5)国外中古建物の不動産所得に係る損益通算等の特例の創設
 ① 個人が、令和3年以後の各年において、国外中古建物(個人において使用され、又は法人において事業の用に供された国外にある建物であって、個人が取得をしてこれをその個人の不動産所得を生ずべき業務の用に供したもののうち、当該不動産所得の金額の計算上その建物の償却費として必要経費に算入する金額を計算する際に所得税法の規定により定められている耐用年数をいわゆる「簡便法」等により算定しているものをいう。以下同じ。)から生ずる不動産所得を有する場合においてその年分の不動産所得の金額の計算上国外不動産所得の損失の金額があるときは、当該国外不動産所得の損失の金額に相当する金額は、所得税に関する法令の規定の適用については、生じなかったものとみなす
 ② 上記①の適用を受けた国外中古建物を譲渡した場合には、その譲渡による譲渡所得の金額の計算上、その取得費から控除することとされる償却費の額の累積額からは、上記①により生じなかったものとみなされた損失の金額に相当する金額の合計額を控除する。

3 金融・証券税制

(6)先物取引に係る雑所得等の課税の特例及び先物取引の差金等決済に係る損失の繰越控除の適用対象から、暗号資産に係るデリバティブ取引(下記(7)において「暗号資産デリバティブ取引」といいます。)の差金等決済に係る雑所得等を除外することとされました。

(適用関係)この改正は、先物取引の差金等決済で居住者等が令和2年5月1日以後に行うものについて適用されます。

4 住宅・土地税制

(4)贈与等により取得した資産の取得費等について、配偶者居住権等に関し、次の措置が講じられました。
 ① 相続等により取得した居住建物等を令和2年4月1日以後に譲渡した場合における譲渡所得の金額の計算上控除する居住建物等の取得費は、その建物に配偶者居住権が設定されていないとしたならば居住建物等を譲渡した時においてその取得費の額として計算される金額から、居住建物等を譲渡した時において配偶者居住権等が消滅したとしたならば下記Aにより配偶者居住権等の取得費とされる金額を控除する。
 ② 配偶者居住権等が令和2年4月1日以後に消滅した場合における譲渡所得の金額の計算については、相続等により配偶者居住権等を取得した時において、その時に居住建物等を譲渡したとしたならば居住建物等の取得費の額として計算される金額のうちその時における配偶者居住権等の価額に相当する金額に対応する部分の金額として一定の計算をした金額により配偶者居住権等を取得したものとし、当該金額から配偶者居住権の存続する期間を基礎として一定の計算をした金額を控除した金額をもって配偶者居住権等の取得費とする。
 ③ 配偶者居住権等が令和2年4月1日以後に消滅(配偶者居住権等を取得した時に居住建物等を譲渡したとしたならば当該居住建物等を取得した日とされる日以後5年を経過する日後の消滅に限る。)をしたことによる所得は、長期譲渡所得とする。

(5)低未利用土地等を譲渡した場合の長期譲渡所得の特別控除制度の創設
 個人が、都市計画区域内にある土地基本法に規定する低未利用土地又は当該低未利用土地の上に存する権利(以下「低未利用土地等」といいます。)で、その年1月1日において所有期間が5年を超えるものの譲渡(特別の関係がある者に対してするもの及びその対価(その譲渡とともにした当該低未利用土地の上にある資産の譲渡の対価を含みます。)の額が500万円を超えるものを除きます。)を令和2年7月1日から令和4年12月31日までの間にした場合(その譲渡の後に当該低未利用土地等の利用がされる場合に限ります。)には、その年中の低未利用土地等の譲渡に係る長期譲渡所得の金額から100万円(当該長期譲渡所得の金額が100万円に満たない場合には、当該長期譲渡所得の金額)を控除することができることとされました。
 ただし、本特例の適用を受けようとする低未利用土地等と一筆であった土地からその年の前年又は前々年に分筆された土地等の譲渡をその前年又は前々年中にした場合において、その者がその譲渡につき本特例の適用を受けているときは、当該低未利用土地等について本特例は適用されません 。

(7)住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除等
 ① 住宅の取得等をした家屋(以下「新規住宅」という。)をその居住の用に供した個人が、その居住の用に供した日の属する年から3年目に該当する年中に新規住宅及びその敷地の用に供されている土地等以外の資産の譲渡(以下(7)①において「従前住宅等の譲渡」という。)をした場合において、その者が従前住宅等の譲渡につき次に掲げる特例の適用を受けるときは、新規住宅について住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除の適用を受けることができないこととする。
 イ 居住用財産を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例
 ロ 居住用財産の譲渡所得の特別控除
 ハ 特定の居住用財産の買換え及び交換の場合の長期譲渡所得の課税の特例
 ニ 既成市街地等内にある土地等の中高層耐火建築物等の建設のための買換え及び交換の場合の譲渡所得の課税の特例
 ② 認定住宅をその居住の用に供した個人が、その居住の用に供した日の属する年から3年目に該当する年中に認定住宅及びその敷地の用に供されている土地等以外の資産の譲渡(以下(7)②において「従前住宅等の譲渡」という。)をした場合において、その者が従前住宅等の譲渡につき次に掲げる特例の適用を受けるときは、認定住宅について認定住宅の新築等をした場合の所得税額の特別控除の適用を受けることができないこととする。
 イ 居住用財産を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例
 ロ 居住用財産の譲渡所得の特別控除

(適用関係)この改正は、個人が令和2年4月1日以後に行う資産の譲渡について適用されます。

(9)特定の事業用資産の買換えの場合等の譲渡所得の課税の特例について次のとおり見直しを行った上、その適用期限が3年(過疎地域の外から内への買換え及び次のCに係る買換えについては、令和3年3月31日まで)延長されました。
 ① 既成市街地等の内から外への買換えについて、譲渡資産から工場等が相当程度集積している区域内にある建物又はその敷地の用に供されている土地等を除外する。
 ② 航空機騒音障害区域の内から外への買換えについて、譲渡資産が次の区域内にある場合の課税の繰延割合を70%(改正前:80%)に引き下げる。
 イ 令和2年4月1日前に特定空港周辺航空機騒音対策特別措置法に規定する航空機騒音障害防止特別地区又は公共用飛行場周辺における航空機騒音による障害の防止等に関する法律に規定する第二種区域となった区域
 ロ 防衛施設周辺の生活環境の整備等に関する法律に規定する第二種区域
 ③ 都市再生特別措置法に規定する都市機能誘導区域の外から内への買換えについて、適用対象から除外する。
 ④ 防災再開発促進地区内にある土地等の買換えについて、建築基準法に規定する耐火建築物又は準耐火建築物を建築するために譲渡をされるものであることとする譲渡資産に係る要件における耐火建築物又は準耐火建築物の範囲に耐火建築物又は準耐火建築物と同等以上の延焼防止性能を有する建築物で一定のものを加える。
 ⑤ 船舶から船舶への買換えについて、次の見直しを行う。
 イ 譲渡資産となる船舶のうち建設業又はひき船業用のものにおける進水の日から譲渡の日までの期間の上限を35年(改正前:40年)に引き下げる。
 ロ 買換資産となる船舶のうち海洋運輸業又は沿海運輸業の用に供されるものにおける進水の日から取得の日までの期間の上限を法定耐用年数とする。
 ⑥ 短期所有の土地等の譲渡について特例を適用できることとする措置を3年延長する 。

(適用関係)上記①、②、④及び⑤の改正は、令和2年4月1日以後に資産の譲渡をし、かつ、同日以後に買換資産の取得をする場合におけるその譲渡について適用されます。

5 国際課税 省略

6 国税通則法等 省略

2 新型コロナウイルス感染症等の影響に対応するための国税関係法律の臨時特例に関する法律における主な措置

(6)1 給付金の非課税
 市町村又は特別区から給付される次の給付金について、所得税を課さないこととされました。
(1) 家計への支援の観点から給付される令和2年度の一般会計補正予算(第1号)における特別定額給付金給付事業費補助金を財源として給付される給付金
(2) 令和2年3月分又は4月分の児童手当(児童手当法に規定する児童手当をいいます。)の支給を受ける者のうち、一定の者に対して給付される令和2年度の一般会計補正予算(第1号)における子育て世帯臨時特別給付金給付事業費補助金を財源として給付される給付金。

6 住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除について、次の措置が講じられました。
 (1) 住宅の取得等で特別特定取得に該当するものをした個人が、特別特定取得をした家屋を、令和2年12月31日までにその者の居住の用に供することができなかった場合において、次に掲げる要件を満たすときは、住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除の控除期間の特例を適用できることとする。
 ① 新型コロナウイルス感染症及びそのまん延防止のための措置の影響により、特別特定取得をした家屋を令和2年12月31日までにその者の居住の用に供することができなかったこと
 ② 上記①の家屋の特別特定取得に係る契約が、次に掲げる住宅の取得等の区分に応じそれぞれ次に定める日までに締結されていること
 イ 居住用家屋の新築又は認定住宅の新築 令和2年9月30日
 ロ 居住用家屋で建築後使用されたことのないもの若しくは既存住宅の取得、一定の居住の用に供する家屋の増改築等又は認定住宅で建築後使用されたことのないものの取得 令和2年11月30日
 ③ 上記①の家屋を令和3年1月1日から同年12月31日までの間にその者の居住の用に供すること
  (2) 既存住宅の取得をし、かつ、当該既存住宅をその者の居住の用に供する前に当該既存住宅の増改築等をした個人が、当該既存住宅をその取得の日から6月以内にその者の居住の用に供することができなかった場合において、次に掲げる要件を満たすときは、住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除を適用できることとする。
 ① 新型コロナウイルス感染症及びそのまん延防止のための措置の影響により、既存住宅をその取得の日から6月以内にその者の居住の用に供することができなかったこと
 ② 上記①の既存住宅につき行う増改築等に係る契約が、当該既存住宅の取得をした日から5月を経過する日又は新型コロナ税特法の施行の日(令和2年4月30日)から2月を経過する日のいずれか遅い日までに締結されていること
 ③ 上記①の既存住宅の増改築等の日から6月以内に当該既存住宅をその者の居住の用に供すること
(注)要耐震改修住宅の取得をし、一定の日までに耐震改修に係る契約を締結している個人が、当該要耐震改修住宅をその取得の日から6月以内にその者の居住の用に供することができなかった場合についても、同様の措置が講じられています。

3 令和元年度の改正事項のうち、令和2年分の所得税から適用される主なもの

1 金融・証券税制 省略

2 その他の所得税関係

(1)源泉控除対象配偶者に係る控除の適用及び配偶者特別控除について、次のとおり見直しが行われました。
 @ 給与等又は公的年金等の源泉徴収における源泉控除対象配偶者に係る控除の適用については、夫婦のいずれか一方しか適用できないこととする。
 A 居住者の配偶者が、給与等や公的年金等の源泉徴収において源泉控除対象配偶者に係る控除の適用を受けている場合(その配偶者がその年分の所得税につき、年末調整をして配偶者特別控除の適用を受けなかった場合又は確定申告書の提出をして配偶者特別控除の適用を受けなかった場合等を除く。)には、その居住者は、その年分の所得税の確定申告において配偶者特別控除の適用ができないこととする 。

(2)公的年金等に係る源泉徴収について、次のとおり見直しが行われました。
 @ 国内において公的年金等の支払を受ける居住者が、公的年金等の受給者の扶養親族等申告書(以下「扶養親族等申告書」という。)の提出をしなかった場合の源泉徴収税額は、公的年金等の金額から公的年金等控除及び基礎控除に対応する控除の月割額(その月割額が最低保障額に満たない場合には、最低保障額)にその公的年金等の金額に係る月数を乗じて計算した金額を控除した残額に、5.105%の税率を乗じて計算する。
 A 扶養親族等申告書については、公的年金等の支払を受ける者の押印に代えて、その者の自署によることができることとする。
 B 扶養親族等申告書の記載事項から、同一生計配偶者又は扶養親族のうちに、同居特別障害者、その他の特別障害者又は特別障害者以外の障害者がある場合のその人数を除外する。
(注)扶養親族等申告書の提出をすることができないものは見直しの対象から除かれます 。

4 平成30年度の改正事項のうち、令和2年分の所得税から適用される主なもの

1 給与所得控除 給与所得控除額を一律10万円引き下げ、その上限額が適用される給与等の収入金額が850万円(改正前:1,000万円)とされるとともに、その上限額を195万円(改正前:220万円)に引き下げることとされました。この結果、給与所得控除額は、給与等の収入金額に応じてそれぞれ次のとおりとなります。
 また、この改正に伴い、給与所得の源泉徴収税額表(月額表、日額表)、賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表及び年末調整等のための給与所得控除後の給与等の金額の表について所要の措置が講じられました。

給与等の収入金額給与所得控除額
162.5万円以下55万円
162.5万円超180万円以下その収入金額×40%−10万円
180万円超360万円以下その収入金額×30%+8万円
360万円超660万円以下その収入金額×20%+44万円
660万円超850万円以下その収入金額×10%+110万円
850万円超195万円

2 公的年金等控除 公的年金等控除額を一律10万円(公的年金等に係る雑所得以外の所得に係る合計所得金額が、1,000万円を超え2,000 万円以下である場合は20万円、2,000万円を超える場合は30万円)引き下げることとされ、公的年金等の収入金額が1,000万円を超える場合の控除額について、上限を設けることとされました。この結果、公的年金等控除額は、公的年金等に係る雑所得以外の所得に係る合計所得金額及び公的年金等の収入金額に応じてそれぞれ次のとおりとなります。
 また、この改正に伴い、非居住者の公的年金等について、分離課税の対象となる金額等の算定における控除額計算の基礎となる額を、65歳未満の者については5万円(改正前:6万円)に、65歳以上の者については9万5千円(改正前:10万円)に、それぞれ引き下げることとされました。

① 65歳未満の場合公的年金等に係る雑所得以外の所得に係る合計所得金額
公的年金等の収入金額1,000万円以下1,000万円超
2,000万円以下
2,000万円超
130万円以下60万円50万円40万円
130万円超 410万円以下公的年金等の収入金額×
25%+27.5万円
公的年金等の収入金額×
25%+17.5万円
公的年金等の収入金額×
25%+7.5万円
410万円超 770万円以下公的年金等の収入金額×
15%+68.5万円
公的年金等の収入金額×
15%+58.5万円
公的年金等の収入金額×
15%+48.5万円
770万円超 1,000万円以下公的年金等の収入金額×
5%+145.5万円
公的年金等の収入金額×
5%+135.5万円
公的年金等の収入金額×
5%+125.5万円
1,000万円万円超195.5万円185.5万円175.5万円
② 65歳以上の場合公的年金等に係る雑所得以外の所得に係る合計所得金額
公的年金等の収入金額1,000万円以下1,000万円超
2,000万円以下
2,000万円超
330万円以下110万円100万円90万円
330万円超 410万円以下公的年金等の収入金額×
25%+27.5万円
公的年金等の収入金額×
25%+17.5万円
公的年金等の収入金額×
25%+7.5万円
410万円超 770万円以下公的年金等の収入金額×
15%+68.5万円
公的年金等の収入金額×
15%+58.5万円
公的年金等の収入金額×
15%+48.5万円
770万円超 1,000万円以下公的年金等の収入金額×
5%+145.5万円
公的年金等の収入金額×
5%+135.5万円
公的年金等の収入金額×
5%+125.5万円
1,000万円万円超195.5万円185.5万円175.5万円

3 基礎控除 基礎控除について、控除額を一律10万円引き上げるとともに、合計所得金額が2,400万円を超える個人についてはその合計所得金額に応じて控除額が逓減し、合計所得金額が2,500万円を超える個人については基礎控除の適用はできないこととされました。この結果、基礎控除額は、個人の合計所得金額に応じてそれぞれ次のとおりとなります。
 また、この改正に伴い、年末調整において基礎控除の適用を受ける場合に合計所得金額の見積額を申告する等の所要の措置が講じられました。

個人の合計所得金額控除額
2,400万円以下48万円
2,400万円超 2,450万円以下32万円
2,450万円超 2,500万円以下16万円
2,500万円超0万円

4 扶養控除 扶養親族等の範囲について、次の改正が行われました。
① 勤労学生の合計所得金額要件を75万円以下(改正前:65万円以下)に引き上げる。
② 同一生計配偶者及び扶養親族の合計所得金額要件を48万円以下(改正前:38万円以下)に引き上げる。
③ 源泉控除対象配偶者の合計所得金額要件を95万円以下(改正前:85万円以下)に引き上げる。

5 配偶者特別控除 対象となる配偶者の合計所得金額要件を48万円超133万円以下(改正前:38万円超123万円以下)とし、その控除額の算定の基礎となる配偶者の合計所得金額の区分を、それぞれ10万円引き上げることとされました。

7 青色申告特別控除 取引を正規の簿記の原則に従って記録している者に係る青色申告特別控除の控除額を55万円(改正前:65万円)に引き下げる一方、取引を正規の簿記の原則に従って記録している者であって、次に掲げる要件のいずれかを満たすものに係る青色申告特別控除の控除額を65万円とすることとされました)。
 ① その年分の事業に係る仕訳帳及び総勘定元帳について、電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律に定めるところにより「電磁的記録の備付け及び保存」又は「電磁的記録の備付け及びその電磁的記録の電子計算機出力マイクロフィルムによる保存」(以下これらを「電磁的記録の備付け等」という。)を行っていること。
 ② その年分の所得税の確定申告書、貸借対照表及び損益計算書等の提出を、その提出期限までに電子情報処理組織(e-Tax)を使用して行うこと。

8 所得金額調整控除等の創設
 ① その年の給与等の収入金額が850万円を超える居住者で、特別障害者に該当するもの又は年齢23歳未満の扶養親族を有するもの若しくは特別障害者である同一生計配偶者若しくは扶養親族を有するものの総所得金額を計算する場合には、給与等の収入金額(その給与等の収入金額が1,000万円を超える場合には、1,000万円)から850万円を控除した金額の100分の10相当額を、給与所得の金額から控除することとされました。
 ② その年の給与所得控除後の給与等の金額及び公的年金等に係る雑所得の金額がある居住者で、給与所得控除後の給与等の金額及び公的年金等に係る雑所得の金額の合計額が10万円を超えるものの総所得金額を計算する場合には、給与所得控除後の給与等の金額(10万円を限度)及び公的年金等に係る雑所得の金額(10万円を限度)の合計額から10万円を控除した残額を、給与所得の金額から控除することとされました。
 ③ 上記①の所得金額調整控除は、年末調整において適用できることとされました。
 ④ 公的年金等に係る確定申告不要制度における公的年金等に係る雑所得以外の所得金額を算定する場合には、上記Aの所得金額調整控除額を給与所得の金額から控除することとされました。

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最終更新 令和2年10月

所得税