非課税所得は、所得税法、租税特別措置法及び特別法に規定されているものに限られます
非課税所得は、所得金額の計算上除外される所得でありますが、もし、これらの所得の計算上損失が生じても、所得金額の計算の上では、その損失はないものとみなされます。(法9②)
下記③ロのもの、例えば、純粋に家事用に使用していた車や家庭用動産を売却し、黒字が生じた場合は「非課税所得」とされる反面、損失が生じた場合は、その損失はないものとされ、他の黒字の所得との相殺することなどはできません。
国税庁資料引用 非課税所得の概要ですが、全ての事項は網羅しておりません。
非課税の趣旨 | 非課税所得の内容 |
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①障害者等の税負担の軽減及び貯蓄奨励策に基づくもの | イ 障害者等の郵便貯金の利子所得(法9の2・措3の4①) ロ 障害者等の少額預金の利子所得等(法10・措3の4②) ハ 障害者等の少額公債の利子所得(措4) (注)上記のイ~ハの各元本の合計額は350万円まで。 (注)老人等の少額貯蓄非課税制度は平成18年1月1日をもって 障害者等の少額貯蓄非課税制度に改組されました。 ニ 勤労者財産形成住宅貯蓄の利子所得等(措4の2) ホ 勤労者財産形成年金貯蓄の利子所得等(措4の3) (注)上記ニ、ホ両者の預入合計額は原則として550万円まで。 ヘ 公社債等の譲渡等による所得(措37の15) |
②実費弁償的性格に基づくもの | イ 給与所得者の出張旅費、転勤旅費等(法9①四) ロ 給与所得者の通勤手当(最高限度月100,000 円まで)(法9①五、令20の2) (注)通勤手当のうち月額100,000円を超える金額は給与所得として課税。 ハ 給与所得者が受ける職務上必要な給付(法9①六、令21) |
③社会政策的配慮(担税力)に基づくもの | イ 増加恩給、傷病賜金、負傷又は疾病に基因して受ける特定の給付、遺族恩給、遺族年金等(法9①三、令20) ロ 家具、じゅう器、衣服等生活に通常必要な動産の譲渡による所得(法9①九) (注)生活に通常必要な動産のうち、貴金属、宝石、書画、こっとう等で 1個又は1組の価額が30万円を超えるものの譲渡による所得は課税(令25)。 ハ 学費に充てるため等に給付される金品(法9①十四) ニ 心身に加えられた損害又は突発的な事故により資産に加えられた損害に基因して受ける損害保険金、損害賠償金、見舞金等(法9①十六、令30) (注)損害賠償金等を取得した場合の課税関係下記表を参照ください。 ホ 雇用保険、健康保険、国民健康保険の保険給付等(雇用保険法12、健康保険法62、国民健康保険法68) へ 生活保護のための給付(生活保護法57) |
④公益的な目的に基づくもの | 文化功労者年金、学術又は芸術奨励として交付される金品、ノーベル賞の賞金等(法9①十三) |
⑤二重課税の防止に基づくもの | 相続、遺贈又は個人からの贈与により取得するもの(法9①十五) (注)法人からの贈与は贈与税ではなく所得税の一時所得として課税。 |
⑥その他 | イ オリンピック競技大会における成績優秀者を表彰するものとして交付される金品(措41の8) ロ 宝くじの当せん金(当せん金付証票法13) ハ スポーツ振興投票券(トト)の払戻金(スポーツ振興投票の実施等に関する法律16)等 ここに掲げられたものが当選するように念じておりますが、いまだ経験なし。 |
損害賠償関係等課税関係
取得原因 | 課・非 | 例示 | |||
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心身に加えられた損害に基因して取得するもの | 給与又は収益の補償 | 非課税 | 給与又は事業の収益の補償として加害者から受けるもの | ||
慰謝料その他精神的補償料など | 非課税 | 示談金、慰謝料 | |||
相当の見舞金 | 非課税 | いわゆる災害見舞金 | |||
資産に加えられた損害に基因して取得するもの | 棚卸資産など | – | 課税 | 棚卸資産の火災保険金、特許権の侵害による補償金 | |
店舗、車両などの固定資産 | 収益の補償 | 課税 | 復旧期間中の休業補償金(販売機の破損等) | ||
資産そのものの損害の補償 | 補償を約したもの | 課税 | 収用等により漁業権、水利権等が消滅することで受けるもの | ||
突発的なもの | 非課税 | 店舗の損害により受ける損害賠償金、火災保険金 | |||
相当の見舞金 | 非課税 | いわゆる災害見舞金 | |||
必要経費に算入される金額を補てんするために受ける損害賠償金等 | 非課税 | 従業員の給料、一時借りした仮店舗の賃借料 |
◎例えば、店舗を持ち事業をされていた方が、他人の不法行為にて、店舗等に損害・危害が加えられ、その結果、次の損害賠償金を収受することになった場合
補償対象 | 課・非 | 摘要 |
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破損商品に対するもの | 課税 | 消失商品はすでに仕入として経費の計上があるため、この金員は非課税となりません。 |
店舗自体の損傷に対するもの | 非課税 | 非課税とされた金額に対応する店舗(減価償却資産)の資産損失は計上できません。 |
休業期間中の収益補償 | 課税 | えべかりし利益の補填という性質のため課税。 |
事業主のけがに対する賠償 | 非課税 | 物ではなく、心身に加えられた損害に対するものであるため非課税。 |