この制度は、平成21年適用から創設され、住宅投資を促進することによる経済対策の措置の一つとして施行されたものです。
受贈者自身の居住に供するための住宅の取得資金に係る贈与税の軽減措置であり、期間が定められた時限立法となっています。
過去の制度も、創設時の「平成21年・平成22年適用制度」と改正「平成22年・平成23年適用制度」の2の制度があり、その後の改正を経て現行制度に至っています。
非課税制度の概要
- 平成24年1月1日から平成26年12月31日までの間に、
- 直系尊属(父母、祖父母、養父母等)からの贈与により住宅用家屋の新築等に充てるための金銭の取得をした、
- 一定の要件に該当する受贈者(特定受贈者)が、
- 住宅用家屋の新築、取得又は増改築等についての要件を満たす場合には、
- その贈与により取得をした「住宅取得等資金」のうち
- 平成24年から平成26年まで、次表の金額までついて、贈与税の課税価格に算入しない、つまり非課税とするというものです。
平成24年分 | 平成25年分 | 平成26年分 | |
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省エネ等住宅※1 | 1,500万円 | 1,200万円 | 1,000万円 |
上記以外の住宅 | 1,000万円 | 700万円 | 500万円 |
※1 省エネ等基準(省エネルギー対策等級4相当であること、耐震等級(構造躯体の倒壊等防止)2以上であること又は免震建築物であることをいいます。)に適合する住宅用の家屋であることにつき、次のいずれかの証明書などを贈与税の申告書に添付することにより証明がされたものをいいます。
証明書などの種類 | 証明対象の家屋 |
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住宅性能証明書 | ①新築をした住宅用の家屋 ②建築後使用されたことのない住宅用の家屋 ③建築後使用されたことのある住宅用の家屋 ④増改築等をした住宅用の家屋 |
建設住宅性能評価書の写し | |
長期優良住宅認定通知書の写し及び 認定長期優良住宅建築証明書など |
①新築をした住宅用の家屋 ②建築後使用されたことのない住宅用の家屋 |
住宅取得等資金の非課税制度のイメージ(暦年課税若しくは相続時精算課税の選択)
特定受贈者の範囲
以下の要件をすべて満たす者。
- 住宅取得等資金の贈与をした者がその者の直系尊属であること。
- 贈与により住宅取得等資金を取得した時において国内に住所を有する者、又は日本国籍を有する者で贈与により住宅取得等資金を取得した時において国内に住所を有しない者(受贈者又は贈与者が贈与の日前5年以内に国内に住所を有したことがある場合に限ります。)であること。
- 住宅取得等資金の贈与を受けた年の1月1日において20歳以上であること。
- 贈与を受けた年の所得税に係る「合計所得金額」が2,000万円以下であること。
- 贈与を受けた年の翌年3月15日までに、住宅取得等資金の全額を充てて住宅用の家屋の新築等をすること。
- 贈与を受けた年の翌年3月15日までに、その家屋に居住すること、又は同日以後遅滞なく居住することが確実であること。
- 自己の配偶者、親族などの一定の特別関係がある者からの取得等ではないこと。
- 平成23年以前の年分において、旧非課税制度の住宅取得等資金の非課税制度の適用を受けたことがないこと。
住宅取得等資金の範囲
- 住宅用家屋の新築又は建築後使用されたことのない住宅用家屋の取得
- 既存住宅用家屋の取得
- 増改築等 以上の新築、取得又は増改築等の対価に充てるための金銭。
対象となる住宅の範囲(新築等・中古・増改築)
- 住宅用家屋の新築等
・床面積の2分の1以上に相当する部分が、専ら居住の用に供されるもの。
・国内にあること。
・1棟の家屋で床面積が50㎡以上240㎡以下。区分所有建物である場合には、専有部分の床面積が50㎡以上240㎡以下。 - 既存住宅用家屋の取得
・上記の範囲と同様
・耐火建築物の場合 次のいずれかの要件
建築後25年以内。
建築基準法施行令第3章等の規定又は関係大臣と協議して定める地震に対する安全性に係る基準に適合するもの。
・耐火建築物以外の建築物の場合 次のいずれかの要件
建築後20年以内。
建築基準法施行令第3章等の規定又は関係大臣と協議して定める地震に対する安全性に係る基準に適合するもの。 - 増改築等
・国内で行われる工事で。
・工事費用の額が、100万円以上。
・工事をした家屋が、主としてその居住の用に供するものであると認められるもの。
・増築、改築、大規模の修繕又は大規模の模様替など。
・工事をした家屋が、居住の用以外にも供する場合は、居住の用に供する部分の工事費用が全体の額の2分の1以上であること。
・工事をした家屋が、1棟の家屋で床面積が50㎡以上240㎡以下、区分所有建物の場合は、専有部分の床面積が50㎡以上240㎡以下であること。
申告要件
この特例は、贈与税の期限内申告書に、その適用を受けようとする旨を記載し、計算の明細書・必要書類等を添付した場合に限り適用されますので、期限や書類には注意が必要です。
必要種類については、取得時期や入居の状況により異なりますので、紙幅の都合で割愛させて頂きます。
贈与税の特例との重複適用
この住宅取得等資金の非課税制度の特例は、暦年課税の基礎控除(110万円)、相続時精算課税の特別控除(2,500万円)と併せて適用が可能とされています。
暦年課税での申告か、相続時精算課税制度を適用し申告を行うかの選択ですが、控除金額や税率などが異なりますので、検討の上ご判断願います。
住宅取得等資金の贈与者が死亡した場合
通常の場合、被相続人から贈与により取得した財産の価額は、その被相続人に係る相続税の課税価格に加算等されるのが原則ですが、この特例を適用した住宅取得等資金の金額は、相続税の課税価格の計算の基礎に算入されません。
簡潔に記しておりますので、実際の適用や添付書類については、再度、法令等のご確認をお願い致します。
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