所得税と住民税では人的控除の金額(基礎控除・配偶者控除・扶養控除など)に差があるため、同じ所得金額でも課税ベースである課税所得金額に差が生じます。 (この差は、以前から生じていたものです)
この度、所得税から住民税への税源移譲(三位一体改革)により所得税及び住民税の税率の変更が行われ、基本的に移譲前と移譲後で負担額の合計に影響がないよう定められましたが、
次のように人的控除の差により増税となる場合が生じることになり、これを回避するための調整措置を講じることとなりました。
所得税と住民税との所得控除
控除額の差異 | 国税 | 地方税 |
基礎控除 | 380,000 | 330,000 |
寡婦・寡夫 | 270,000 | 260,000 |
特別寡婦 | 350,000 | 300,000 |
勤労学生 | 270,000 | 260,000 |
障害者 | 270,000 | 260,000 |
特別障害者 | 400,000 | 300,000 |
配偶者 | 380,000 | 330,000 |
老人控除配偶 | 480,000 | 380,000 |
配偶・同居特別 | 730,000 | 560,000 |
老配・同居特別 | 830,000 | 610,000 |
一般扶養 | 380,000 | 330,000 |
一般・同居特別 | 730,000 | 560,000 |
特定扶養 | 630,000 | 450,000 |
特定・同居特別 | 960,000 | 680,000 |
老人扶養 | 480,000 | 380,000 |
老人・同居特別 | 830,000 | 610,000 |
老人扶養・同老 | 580,000 | 450,000 |
老人・同老・同特 | 930,000 | 680,000 |
当事務所では、所得税・住民税の試算のための計算シートを用意しております。
平成18年分イメージはこちら(削除済)・平成19年分イメージはこちら(削除済)
税源移譲前の所得税と住民税の税額 | 税源移譲後の所得税と住民税の税額 |
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課税所得金額 1,000,000円×所得税10%=100,000円 | 課税所得金額 1,000,000円×所得税5%= 50,000円 |
課税所得金額 1,050,000円×住民税5%= 50,000円 | 課税所得金額 1,050,000円×住民税10%=105,000円 |
移譲前合計 150,000円 | 移譲後合計 155,000円 |
税率が逆転しているだけですが、人的控除5万円の差が納税額に影響しています。所得税基礎控除38万円、住民税基礎控除33万円
下記図表の左側 | 下記図表の右側 いずれも、住民税均等割を4000円として加算 |
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税源移譲前の所得税 107,100円 定率減税10%適用 | 税源移譲前の住民税 74,300円(18年6月から納税)定率減税適用 |
税源移譲後の所得税 59,500円 税率減少、定率減税なし | 税源移譲後の住民税 139,500円(19年6月から納税)定率減税なし |
本年分(平成18年分)は、所得税は税率改正前かつ定率減税額あり、一方住民税は税率改正後かつ定率減税廃止と、やや変則的な形となっています。
これから以降を見比べるならば、負担増と感じられることになろうかと思われます。
(参考)
人的控除の調整額がない場合は、課税所得金額 1,520,000円×10%(市民税・府民税)=152,000円 + 均等割 =4,000円 =156,000円
人的控除の調整額がある場合は、
①人的控除額の差 330,000円(仮定)
②住民税の課税所得金額 1,520,000円
①<② ∴330,000×5%=16,500円
156,000円-16,500円=139,500円
総所得金額 | - | 所得控除 | = | 課税所得 | × | 税率10% | - | 税額控除 ここで調整控除額を控除 |
⇒ | 住民税所得割額 | + | 住民税均等割額 | = | 住民税合計 |