所得税の資本的支出と修繕費の区分 大阪府高槻市の松本寿一税理士事務所

所得税の資本的支出と修繕費の区分

業務用固定資産に行った修繕費は必要経費とされますが、一定の支出については資本的支出とされ、修繕費の金額から除かれます。

資本的支出とは、通常の維持管理の程度を超え、資産の価値を高めたり、使用可能期間が延長したりする場合の支出をいい、その支出した年度に経費算入することは適当ではないとされています。よって、その支出した金額は資産の取得価額に加算され、償却という方法で費用化されて行きます。

所得税も法人税も、法令の規定や通達の取扱いにおいてもほぼ同様であります。

資本的支出と修繕費のフローチャート

資本的支出と修繕費の判断基準

*①の金額=支出金額×30%又は前期末取得価額の10%のうち少ない金額
*②の金額=支出金額ー①の金額

増築等物理的に付加された部分や用途変更のための改造等については、資本的支出と判断することに困難はないのですが、なかには、修繕費か資本的支出であるか判断のつかないものに往々にして遭遇します。

通達では上記チャートのように、少額・短期の周期のものかどうかから始まる形式的な基準が明示されていますが、やはり最後は実質判断と、すべて画一的に処理できない困難さがあります。

*資本的支出は通達に例示として掲げられていますが、修繕費については修繕費に含まれる費用としては掲げられているだけで明瞭性がなく、、昭和25年通達では一応の例示があったのですが、この通達は廃止されております。ただし、従前の取扱いを廃止するためのものではなく、法令 解釈上疑義がなく、特に通達で定める必要がないものとして廃止された事情によるものです。