配当所得がある場合の所得税の配当控除 29

配当控除は、所得税の税額控除の一つとして設けられており、住民税にも同制度があります。

制度の趣旨は、配当を支払う法人は、配当を支払う前の所得金額に対し日本の法人税が課税されており、再度受領した側で課税を行うと、法人税・所得税と2度課税(課税済みの所得にまた課税)されることとなるため、これを調整する目的で設けられたものであります。

(国外の法人税の例では、配当の金額の支払後の所得に対して法人税が課税されるケースもあるそうです。)
 そのため、この配当控除の適用は国内の法人から受ける配当に限られ、外国法人から受ける配当はこの制度は適用されません。

投資信託の収益の分配金においては、株式に一切投資を行わない公社債投信は配当控除の適用はなく(もともと課税は利子所得・源泉分課税にて課税完結)、
 株式投資信託は株式投資であっても全て株式に投資せず、公社債にも投資されることもあり、配当控除の計算は通常より縮減されているところです。

近年、投資対象の範囲が国内に止まらず、世界中の資産に向かっている現状や様々な投資信託商品が発売されるようになり、金融商品に係る課税方法は大変複雑なものとなってきています。


配当控除の控除率

通常の株式配当に係る「配当控除」10%(課税所得金額の金額により5%部分あり)

また、投資信託の「配当控除」は
 外貨建て資産の割合株式組入れ率により、配当控除の割合が次に掲げる割合となっており大変複雑・怪奇なもの。
 課税所得金額の金額により、下記の半分の率となります。住民税についての同控除の率は割愛しております。

株式組入50%超同左25%超50%以下同左25%以下
外貨建資産50%以下5%2.5%適用なし
外貨建資産50%超75%以下2.5%2.5%適用なし
外貨建資産75%超適用なし適用なし適用なし

配当控除の計算は、通常の株式配当だけであれば別紙1の計算書を使用し、投資信託の収益分配金がある場合は別紙2を使用することになります。
別紙とは、当方が勝手に便宜的にそう呼称しているだけで正式な名称ではありません) 

注)平成20年度税制改正により、上場株式等に係る配当所得の金額を申告する場合には、その上場株式等の配当等に係る支払通知書又は源泉徴収選択口座に係る特定口座年間取引報告書を確定申告書に添付しなければならないと改正されていますので、確実に添付されることをお忘れなく。

この改正は、平成21年1月1日以後に支払うべき上場株式等の配当等について適用されます。
 ただし、上場株式等の配当等の支払の取扱者に係る部分及び源泉徴収選択口座に受け入れた上場株式等の配当等に係る部分は、平成22年1月1日以後に支払われる上場株式等の配当等について適用されます。

配当控除の額を求める計算方法 (別紙1)

配当控除の計算 確定申告の手引より

上記は、平成29年分所得税の確定申告の手引(申告書Bの様式)のP19に掲載されている配当控除の計算に使用する明細であります。

解説では、
●内国法人からの配当(特定目的会社及び投資法人からの配当、建設利息、基金利息、確定申告をしないことを選択した配当等を除く)
●特定株式投資信託及び特定証券投資信託の収益の分配(外国株価指数に投資を行うものを除く)及び特定証券投資信託の収益の分配を配当等とし、

特定証券投資信託の収益の分配がある場合は左の明細書が使用できず、「特定証券投資信託に係る配当控除額の計算書」を使用してくださいとなっています。

よって、配当控除の金額を求める明細書の様式としてあるのは「特定証券投資信託に係る配当控除額の計算書」だけになり、この部類に属さない配当は手引を利用されることになります。

申告分離課税の所得がある場合は、上記Bの金額が変わりますのでご注意ください。


特定証券投資信託に係る配当控除額の計算書 (別紙2)

下記計算書は「特定証券投資信託に係る配当」がある場合に、この配当に係る「配当控除額」を計算するために使用する計算書です。

記載要領は
・所得金額の合計額から所得控除の金額を差引き、残った所得金額を①欄に記載
・申告分離課税の所得がある場合は、①の金額が変わりますのでご注意ください。
・次に配当所得の金額総額を②欄に記載
・そして、③欄には配当控除の対象となる配当金額を記載
・最後に、④欄に外貨建等証券投資信託以外の金額を⑤欄に外貨建等証券投資信託の金額を記載します。

事例として
①は600万円 ②300万円 ③200万円 ④100万円 となる場合
配当控除の金額は計算書の最下部Q25万円と求められることになります。
この金額を、平成29年分所得税の申告書B 第一表では28番に記載します。

平成21年度税制改正により、新たに分離課税とした配当所得(上場株式等の分離配当所得)と「上場株式等の譲渡損失」との損益通算制度が創設されたことにより、分離課税とした配当所得は「配当控除」の適用除外となりました。

この計算書の様式も、これに対応すべく文言の表示がされていますが、総合課税の配当に係る計算方法の変更はありません。
 なお、本年分様式は、平成29年分、右下(29.11)となります。

下記、様式は自動計算ファイル(エクセル)として作成しております。このファイルは必要事項の入力を行うことにより、自動計算にて当該様式を作成します。
 なお写しでありますので、当事務所ホームページ上では、この様式の操作を行うことができません。

特定証券投資信託に係る配当控除額の計算書

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最終更新 平成30年3月

所得税