平成26年税制改正 所得税関係

下記は、国税庁「平成26年分 所得税の改正のあらまし」を基に主な改正事項を抜粋し記述しております。

 この「改正のあらまし」は、次の目次となります。
├1 平成26年分所得税の主な改正事項
├2 平成22年度の改正事項のうち、平成26年分の所得税から適用される主なもの
├3 平成23年12月の改正事項のうち、平成26年分の所得税から適用される主なもの
└4 平成25年度の改正事項のうち、平成26年の所得税から適用される主なもの

1 平成26年分所得税の主な改正事項

1 給与所得控除の改正

(1)給与所得控除(所法28)の上限額が、平成28年分の所得税については230万円(給与収入1,200万円を超える場合の給与所得控除額)に、平成29年分以後の所得税については220万円(給与収入1,000万円を超える場合の給与所得控除額)に、それぞれ引き下げられました。

(2)給与所得控除の上限額の引下げに伴い、次の改正が行われました。
① 給与所得の源泉徴収税額表(月額表、日額表)、賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表及び年末調整等のための給与所得控除後の給与等の金額の表を改める(所法別表第2〜別表第5)。

(適用関係)この改正は、平成28年1月1日以後に支払うべき給与等について適用されます。

② 給与所得者の特定支出の控除の特例(所法57の2)について、一律に、その年中の特定支出の額の合計額が給与所得控除額の2分の1に相当する金額を超える場合には、その超える部分の金額を給与所得控除額に加算する。

(適用関係)この改正は、平成28年分以後の所得税について適用されます。

2 土地・住宅税制の改正

(8)特定の居住用財産の買換え及び交換の場合の長期譲渡所得の課税の特例(措法36の2、36の5)について、譲渡資産の譲渡対価の額の要件が1億円(改正前:1.5億円)以下に引き下げられた上、その適用期限が平成27年12月31日まで2年延長されました。

(適用関係)この改正は、平成26年1月1日以後に行う譲渡資産譲渡について適用されます。

(10)住宅借入金等特別控除(措法41)について、居住者が、建築後使用されたことのある家屋(耐震基準等に適合しないものに限ります。)で一定のもの(以下「要耐震改修住宅」といいます。)を取得した場合において、その要耐震改修住宅の取得の日までに耐震改修を行うことにつき一定の申請をし、かつ、その者の居住の用に供する日(取得の日から6月以内の日に限ります。)までにその耐震改修によりその要耐震改修住宅が耐震基準に適合することとなったことにつき証明がされたときは、この特別控除の適用を受けることができることとされました。
(注)この特例は、住宅耐震改修特別控除の適用を受ける場合には、適用することができないこととされています。

(適用関係)この改正は、居住者が平成26年4月1日以後に要耐震改修住宅の取得をする場合について適用されます。

(11)居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除(措法41の5)及び特定居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除(措法41の5の2)の適用期限が平成27年12月31日まで2年延長されました。

平成26年分居住用財産の譲渡損失の解説及び様式はこちら

4 事業所得等関係の改正

(23)中小企業者の少額減価償却資産の取得価額の必要経費算入の特例(措法28の2)の適用期限が平成28年3月31日まで2年延長されました。

(24)特定の事業用資産の買換えの場合等の課税の特例(措法37、37の4)について、既成市街地等の内から外への買換えにおける農業及び林業以外の事業の用に供される買換資産の対象区域に都市開発区域が追加される等の改正が行われるとともに、長期所有の土地、建物等から国内にある土地、建物、機械装置等への買換え以外の措置の適用期限が平成29年12月31日まで3年延長されました。

(適用関係) この改正は、平成26年4月1日以後に譲渡資産の譲渡をし、かつ、同日以後に買換資産の取得をする場合におけるその譲渡について適用されます。

5 その他の改正

(4)公的年金等に係る確定申告不要制度(所法121)等について、次の改正が行われました。
  ①公的年金等に係る確定申告不要制度について、源泉徴収の対象とならない公的年金等の支給を受ける者はこの制度を適用できないこととする。

(適用関係) この改正は、平成27年分以後の所得税について適用されます。

②2以上の居住者の控除対象配偶者又は扶養親族に該当する者をいずれの居住者の控除対象配偶者又は扶養親族に該当するかの判定の基礎となる申告書等の範囲に、公的年金等の受給者の扶養親族等申告書を追加する。

(適用関係) この改正は、平成26年分以後の所得税について適用されます。

(5)譲渡損失の他の所得との損益通算及び雑損控除を適用することができない生活に通常必要でない資産の範囲に、主として趣味、娯楽、保養又は鑑賞の目的で所有する不動産以外の資産(ゴルフ会員権等)が追加されました。

(適用関係) この改正は、平成26年4月1日以後の資産の譲渡等により生ずる損失の金額及び同日以後の災害等により生ずる損失の金額について適用されます。

(6)雑損控除(所法72)の対象となる資産の損失金額について、その資産が家屋等の使用又は期間の経過により減価するものである場合には、その資産の損失が生じた時の直前におけるその資産の価額を基礎として計算する方法のほか、その資産の取得価額から減価償却費累積額相当額を控除した金額を基礎として計算する方法が追加されました。

改正前 平成25年分以前の雑損控除の解説はこちら

(7)相続財産に係る譲渡所得の課税の特例(措法39)について、次の改正が行われるとともに、現行の取扱いが法令上明確化されました。
 ①相続財産である土地等の譲渡をした場合の譲渡所得の金額の計算上、取得費に加算する金額を、その譲渡をした土地等に対応する相続税相当額(改正前:その者が相続又は遺贈により取得した全ての土地等に対応する相続税相当額)とする(措法39①、措令25の16①)。
 ②相続財産の譲渡に係る所得税の確定申告書の提出期限の翌日から相続税申告期限までの間に相続税申告書を提出した者は、その相続税申告書を提出した日の翌日から2月以内に限り、更正の請求によりこの特例の適用を受けることができることとする。

(適用関係) この改正は、平成27年1月1日以後に開始する相続又は遺贈により取得した資産を譲渡する場合について適用されます。

平成27年分の取得費加算の解説及び様式はこちら

2 平成22年度の改正事項のうち、平成26年分の所得税から適用される主なもの

非課税口座内の少額上場株式等に係る配当所得及び譲渡所得等の非課税制度(NISA)(措法9の8、37の14)が、平成26年1月1日より施行されました。この制度の概要は以下のとおりです。
 (1) 居住者等が、非課税口座に非課税管理勘定を設けた日から同日の属する年の1月1日以後5年を経過する日までの期間(以下「非課税期間」という。)内に支払を受けるべき非課税口座内上場株式等の配当等については、所得税を課さない。
 (2) 居住者等が、非課税期間内に金融商品取引業者等への売委託等による譲渡をした場合におけるその譲渡に係る非課税口座内上場株式等の譲渡所得等については、所得税を課さない。

3 平成23年12月の改正事項のうち、平成26年分の所得税から適用される主なもの

事業所得等を有する者の帳簿書類の備付け等(所法231の2)について、個人の白色申告者で、前々年分あるいは前年分の事業所得等の金額の合計額が300万円を超える者に課されていた記帳義務・記録保存義務が、それ以外の事業所得者等についても、同様に課されることとされました。

(適用関係) この改正は、平成26年1月1日以後において事業所得者等に該当する者について適用されます。

4 平成25年度の改正事項のうち、平成26年分の所得税から適用される主なもの

1 住宅税制の改正

(1)住宅借入金等特別控除(措法41)について、住宅借入金等の年末残高の限度額等が、次のとおりとされました。

居住年住宅借入金等の
年末残高の限度額
控除率控除期間各年の控除限度額最大控除限度額
平成26年1月〜平成29年12月特定取得に該当する場合4,000万円(5,000万円)1.0%10年間40万円(50万円)400万円(500万円)
特定取得に該当しない場合2,000万円(3,000万円)1.0%10年間20万円(30万円)200万円(300万円)

(注1)「特定取得」とは、住宅の取得等に係る対価の額又は費用の額に含まれる消費税額等が、新消費税率により課されるべき消費税額等である場合におけるその住宅の取得等をいいます。以下同じです。
(注2)表中のかっこ内の金額は、認定住宅の場合の住宅借入金等の年末残高の限度額等です。

(2)特定増改築等住宅借入金等特別控除(措法41の3の2)について、住宅借入金等の年末残高の限度額(1,000万円)のうち特定増改築等に係る住宅借入金等の年末残高の限度額(特定増改築等限度額)等が、次のとおりとされました。

居住年特定増改築等限度額
1,000万円から特定増改築等限度額を控除した残高
控除率控除期間各年の控除限度額最大控除限度額
平成26年1月〜平成29年12月特定取得に該当する場合250万円2.0%5年間12.5万円62.5万円
750万円1.0%5年間
特定取得に該当しない場合200万円2.0%5年間12万円60万円
800万円1.0%5年間

(4)住宅耐震改修特別控除(措法41の19の2)について、次の改正が行われました。

①耐震改修工事限度額等を次のとおりとする。

住宅耐震工事完了年耐震改修工事限度額控除率最大控除限度額
平成26年1月〜平成29年12月新消費税率により
課されるべき場合
250万円10%25万円
旧消費税率により
課されるべき場合
200万円10%20万円

②平成26年4月1日以後に行う住宅耐震改修については、税額控除額の計算方法が住宅耐震改修に係る耐震工事の標準的な費用の額(補助金等の交付を受ける場合には、その補助金等の額を控除した後の金額)の10%に相当する金額とする。

(5)住宅特定改修特別税額控除(措法41の19の3)について、次の改正が行われました。

①改修工事限度額等を次のとおりとする。

イ 特定居住者が高齢者等居住改修工事等をした場合

居住年改修工事限度額控除率最大控除限度額
平成25年1月〜平成26年3月200万円10%20万円
平成26年4月〜平成29年12月新消費税率により
課されるべき場合
200万円10%20万円
旧消費税率により
課されるべき場合
150万円10%15万円

ロ 居住者が一般断熱改修工事等をした場合

居住年改修工事限度額控除率最大控除限度額
平成25年1月〜平成26年3月200万円(300万円)10%20万円(30万円)
平成26年4月〜平成29年12月新消費税率により
課されるべき場合
250万円(350万円)10%25万円(35万円)
旧消費税率により
課されるべき場合
200万円(300万円)10%20万円(30万円)

(注)表中のかっこ内の金額は、併せて太陽光発電設備の設置工事を行う場合の断熱改修工事限度額又は最大控除限度額です。

②特定改修工事をした家屋を平成26年4月1日以後に居住の用に供した場合には、税額控除額の計算方法が特定改修工事に係る標準的な費用の額(補助金等の交付を受ける場合には、その補助金等の額を控除した後の金額)の10%に相当する金額とする。

③特定改修工事をした家屋を平成26年4月1日以後に居住の用に供した場合には、高齢者等居住改修工事等及び一般断熱改修工事等の両方の工事をして同一年中に居住の用に供した場合の税額控除の限度額(20万円(太陽光発電設備の設置工事を行う場合は30万円))を廃止する。

(6)認定住宅新築等特別税額控除(措法41の19の4)について、認定住宅について講じられた構造及び設備に係る標準的な費用に係る限度額(認定住宅限度額)等が、次のとおりとされました。

居住年認定住宅限度額控除率最大控除限度額
平成26年1月〜平成26年3月認定長期優良住宅500万円10%50万円
平成26年4月〜平成29年12月新消費税率により
課されるべき場合
認定長期優良住宅
・認定低炭素住宅
650万円10%65万円
旧消費税率により
課されるべき場合
認定長期優良住宅
・認定低炭素住宅
500万円10%50万円

2 事業所得等関係の改正

(6)社会保険診療報酬の所得計算の特例(措法26)について、適用対象者から、その年の医業及び歯科医業に係る収入金額が7,000万円を超える者を除外することとされました。

(適用関係)この改正は、平成26年分以後の所得税について適用されます。

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最終更新 平成26年9月

所得税