居住用財産の譲渡損失の損益通算と繰越控除の特例 大阪府高槻市の松本寿一税理士事務所

居住用財産の譲渡損失の損益通算と繰越控除の特例

損益通算と繰越控除

居住用財産(自宅)を譲渡し、譲渡損失が生じた場合、その譲渡損失を一定要件のもと、譲渡年の他の黒字の所得と通算する損益通算と通算しきれなかった譲渡損失を、翌年以降3年間繰越すことができる繰越控除の特例制度です。

この制度の沿革

平成9年分以前  青色申告を行える方は、居住用であるとを問わず、不動産の譲渡損失は「損益通算」及び「繰越控除」が可能であるのに、一方、白色申告を行う方は「繰越控除」が不可でありました。
平成10年税制改正  措置法第41条の5の特例要件に該当する居住用財産の譲渡損失のみ、青色申告・白色申告ともに「繰越控除」が可とされました。青色申告の方は、一部を制限(まだ多くは「繰越控除」可)。白色申告の方は、一部を緩和。
平成16年税制改正  平成15年分までは、不動産の譲渡損失は、(青色申告の方)基本的に「損益通算」及び「繰越控除」が認められていましたが、平成16年分以降、この「損益通算」及び「繰越控除」が適用できなくなりました
 この改正による影響は大きく、従前の取扱いと比べ(譲渡の損失と他の黒字の所得との相殺)、税負担に相当額の開差が生じる場合があります。
 ただし、一定の居住用財産の譲渡損失は、引続き「損益通算」及び「繰越控除」が適用が可能であります。

現在の居住用財産の譲渡所得に関する特例制度には、

①買換えを前提とする平成10年新設「措法41条の5」
②前提としない平成16年新設「措法41条の5の2」の2種類があります。

「措法41条の5」は、平成11年分から住宅借入金等特別控除と重複適用が可能となりました。
「措法41条の5の2」は、譲渡収入金額を上回る住宅ローン残高(いわゆるオーバーローン)がある場合に適用されます。

基本的に長期譲渡所得の特例ですので、譲渡した年の1月1日現在5年以上所有している財産が対象となります。

◎上記、両特例を適用するにあたり、使用する明細書及び計算書は下記年分へ


特例を受けるための要件 フローチャート(記述が平成16年分を前提に記載しておりますが、年分・年は読み替えください。)

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