下記の明細書は、「平成19年4月1日以後終了事業年度分」の「特定の資産の買換えにより取得した資産の圧縮額等の損金算入に関する明細書 別表十三(五)」となります。
この明細書は、法人の有する資産を譲渡し、一定期間内に譲渡資産に応じた買換資産を取得した場合、特定の資産の買換えの場合の課税の特例等があり、この規定により、圧縮記帳又は特別勘定による経理の特例計算を受け場合に使用します。
19年度分の様式自体の変更はなかろうかと思われます。見落としがありましたらご容赦ください。
特定の資産の買換とは、租税特別措置法第65条の7に規定され
法人(清算中の法人を除く。)が「対象期間」内に、
その有する資産(棚卸資産を除く、同表の各号の上欄に掲げるもの。)の譲渡をした場合において、当該譲渡の日を含む事業年度において、同表当該各号の下欄に掲げる資産の取得をし、かつ、当該取得の日から1年以内に、当該取得をした資産を当該法人の事業の用に供したとき又は供する見込みであるときは、
当該買換資産につき、その圧縮基礎取得価額に差益割合を乗じて計算した金額の100分の80に相当する金額(「圧縮限度額」)の範囲内でその帳簿価額を損金経理により減額し、
又はその帳簿価額を減額することに代えてその圧縮限度額以下の金額を当該事業年度の確定した決算において積立金として積み立てる方法(当該事業年度の決算の確定の日までに剰余金の処分により積立金として積み立てる方法を含む。)により経理したときに限り、その減額し、又は経理した金額に相当する金額は、当該事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入する。
ただし、当該事業年度の買換資産のうちに土地等がある場合、5倍(一部2倍又は10倍)までの面積制限がありますので、これを超える面積は買換資産に該当しないものがあります。
上記の記述は、平成22年度の法令に基づき、原則的なものにとどめておりますので、実際の適用には法令の確認等をお願いいたします。
(参考)所得税にも同様な特例があり、租税特別措置法第37条
(特定の事業用資産の買換えの場合の譲渡所得の課税の特例)はこちらから
下記、国税庁様式を当事務所では自動計算ファイル(エクセル)として作成しております。必要事項の入力を行うことにより自動計算(色付き表示部分)にて本様式を作成します。
関連別表とはリンクせず、単葉で動作致します。
記載済みの数字等は仮定のもので、また、写しでありますので当事務所ホームページ上では動作致しません。
事例 既成市街地等内の土地を売却し、既成市街地等外の土地を取得し、直ちに事業に供した。1号該当
項目 | 別表 | 金額 | 補足 | |
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譲渡資産 に関する事項 | 譲渡対価の額 | 「6」 | 87,264,000円 | |
譲渡した資産の帳簿価額 | 「7」 | 15,420,280円 | ||
譲渡した土地等の面積 | 「4」 | 200㎡ | ||
譲渡経費 | 「8」 | 2,032,520円 | ||
差益割合 | 「10」 | 0.8 | ※1 | |
買換資産に関する事項 | 買換資産土地の取得価額 | 「14」 | 124,848,000円 | |
買換資産建物の取得価額 | 「14」 | 28,000,000円 | ||
買換資産の取得価額の合計額 | - | 152,848,000円 | ||
取得した土地の面積 | 「15」 | 2,000㎡ | 5倍までが買換資産となり、 | |
買換資産特例とならない面積 | 「16」 | 1,00㎡ | 5倍を超える左の面積分は対象外 | |
特例計算上の土地買換取得価額 | 「17」 | 62,424,000円 | 124,848,000円×(100㎡×5)/1,000㎡ | |
特例計算上の建物買換取得価額 | - | 19,872,000円 | ||
買換資産として計算を行う金額 | - | 87,264,000円 | ||
別表での限度額の計算 | 土地の圧縮積立金 | 「18」 | 51,000,000円 | 法人が経理した金額 |
建物の圧縮積立金 | 「18」 | 19,872,000円 | 同上 | |
圧縮限度超過額 | 「25」 | - | 経理方法により、別表四加算又は別表十六 |
差益割合「10」 ※1(87,264,000円-15,420,280円-2,032,520円)÷87,264,000円=0.8
資産の種類や圧縮記帳の経理方法により異なります。
別表四 本表「18」「25」「36」「39」の金額を移記 |
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別表十六(一) |
特定の資産の買換えにより取得した資産の圧縮額等の損金算入に関する明細書
参考 租税特別措置法第65条の7に掲げられている表
法令では、該当号を一覧として掲げられていますが、本年度分は簡略化したものを下記に掲載いたします。
また、手続規定等は紙幅の関係で詳細には触れておりません。
平成19年度分においては、「16号」が追加され、全部で「19号」の区分となります。平成18年度分の「16号」以下は1号づつ番号づれとなりました。
なお、実際の特例の適用におかれましては、法令等を確認されますようお願いいたします。
18年 | 19年 | 譲渡資産と買換資産の態様 |
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1号 | 1号 | 所有期間10年超の建物・土地等の既成市街地等の内から外への買換え |
2号 | 2号 | 大気汚染規制区域内の内から外への、ばい煙発生施設の移転を伴う買換え |
3号 | 3号 | 騒音規制地域の内から外への、騒音発生施設の移転を伴う買換え |
4号 | 4号 | 水質汚濁規制水域等の内から外への、汚水排出施設の移転を伴う買換え |
5号 | 5号 | 市街化区域又は既成市街地等の内から外への、農林業用資産の買換え |
6号 | 6号 | 航空機騒音障害区域の内から外への買換え |
7号 | 7号 | 誘致区域(誘致度の非常に高い地域)の外から内への買換え |
8号 | 8号 | 農村地域及び誘致区域の外から農村地域工業等導入地区の内への買換え |
9号 | 9号 | 都市開発区域等(誘致度が誘致区域よりやや低い区域)及び誘致区域の外から都市開発区域等の内への買換え |
10号 | 10号 | 既成市街地等内及びこれに類する一定の区域(人口集中地区)内での土地の計画的かつ効率的な利用に資する施策の実施に伴う買換え |
11号 | 11号 | 市街化区域又は既成市街地等内の建物の高層化に伴う同一敷地上の権利の変換が行われる場合のその買換え |
12号 | 12号 | 既成市街地等又は都市計画の2号地区等内において行われる特定民間再開発事業(地上階数4以上の中高層の耐火建築物の建築をする一定の事業)の実施に伴う土地、建物等の買換え |
13号 | 13号 | 都道府県知事が指定した特定整備区域内にある木造貸家住宅で地方公共団体に譲渡されるものから中高層貸家住宅への買換え |
14号 | 14号 | 農業振興地域の整備に関する法律に基づく協議、調停又はあっせんによる農業振興地域の農用地区域等内にある土地等の買換え |
15号 | 15号 | 密集市街地整備法の防災再開発促進地区内で防災街区整備事業に関する都市計画に従って行われる土地等の買換え |
– | 16号 | 密集市街地整備法の防災再開発地区の区域内で同法に規定する認定建替計画に係る建築物の建替えを行う事業に係る土地等、建物又は構築物の買換え |
16号 | 17号 | 長期所有土地等(所有期間10年超のもの)から国内にある土地等、建物、構築物、機械装置等への買換え |
17号 | 18号 | その譲渡が内航海運業の構造改善に資することとなる内航海運業用の日本船舶から船舶以外の減価償却資産への買換え |
18号 | 19号 | 内航海運業用以外の日本船舶から日本船舶への買換え |