平成24年度改正税法 法人税関係 大阪府高槻市の松本寿一税理士事務所

平成24年度税制改正 法人税関係(国税庁改正税法資料より)

下記は、国税庁「平成24年度 法人税関係法令の改正の概要」を基に記述しております。
 この「改正の概要」は、次の目次となりますが、本稿では抜粋にて掲載致します。

第1編 租税特別措置法等に関する改正
├1 国際課税に関する改正
├1-1 関連者等に係る純支払利子等の課税の特例(過大支払利子税制)の創設
├1-2 その他
├2 減価償却に関する改正
├2-1 一定のエネルギー環境負荷低減推進設備等に対する即時償却制度の導入
├2-2 その他
├3 引当金・準備金制度に関する改正
├4 資産譲渡等の場合の課税の特例制度に関する改正
├5 税額の計算に関する改正
└6 その他の改正
第2編 震災特例法に関する改正
├1 原子力災害からの復興支援措置 福島県全域に係る措置
├2 原子力災害からの復興支援措置 避難解除区域に係る措置
└3 その他の改正

第1編 2-1 一定のエネルギー環境負荷低減推進設備等に対する即時償却制度の導入

改正前の本制度の概要

青色申告法人が、平成23年6月30日から平成26年3月31日までの間に、エネルギー環境負荷低減推進設備等の取得等をして、その取得等の日から1年以内に一定の事業の用に供した場合には、その事業の用に供した事業年度において、そのエネルギー環境負荷低減推進設備等の取得価額の30%相当額の特別償却ができることとされています。

改正の内容

平成24年7月1日から平成25年3月31日までの間(以下「指定期間」といいます。)に、エネルギー環境負荷低減推進設備等のうち次に掲げる発電設備の取得等をした場合の特別償却限度額は、その発電設備の取得価額から普通償却限度額を控除した金額に相当する金額とされ、その事業の用に供した事業年度において取得価額の全額を償却(即時償却)することができることとされました。

①太陽光を電気に変換する認定発電設備(再生エネルギー法第3条第2項に規定する認定発電設備をいいます。以下同じです。)でその出力が10キロワット以上であるもの
②風力を電気に変換する認定発電設備でその出力が1万キロワット以上であるもの

算式特別償却限度額 = 発電設備の取得価額 - 普通償却限度額

●適用要件 上記の発電設備について本制度の適用を受けるためには、確定申告書等にエネルギー環境負荷低減推進設備等に該当するものであることを証する財務省令で定める書類を添付する必要があります。

●適用時期 (1)再生エネルギー法附則第1条第3号に掲げる規定の施行の日以後に取得等をするエネルギー環境負荷低減推進設備等について適用され、同日前に取得等をしたエネルギー環境負荷低減推進設備等については、改正前の規定が適用されます。
 (2)再生エネルギー法附則第3条第1項により平成24年7月1日前に同法第6条第1項の認定を受けた法人については、同日に認定を受けたものとみなされ、その認定に係る再生可能エネルギー発電設備は指定期間内に取得した認定発電設備に該当するものとみなされます。この場合には、その認定を受けた法人は、上記(1)の施行の日以後に取得等をする認定発電設備について改正後の規定が適用されます。

第1編 2-2 その他

改正事項 改正の内容 適用時期等 様式
(1)中小企業者等が機械等を取得した場合の特別償却 ○適用対象となる資産に、製品の品質管理の向上に資する工具、器具及び備品として測定工具などが追加されました。
○適用対象となるソフトウエアに、国際標準化機構及び国際電気標準会議の規格15408に基づき評価及び認証をされた、サーバー用オペレーティングシステムなどが追加されました。
○工具、器具及び備品に係る取得価額基準について、改正が行われました。
平24.4.1以後に取得等をするものについて適用。

平24.4.1前に取得等をし1年以内に事業供用をした資産については従来どおり適用。

同上

付表3
(6)経営基盤強化計画を実施する指定中小企業者の機械等の割増償却 ○本制度は廃止。 平24.4.1前に承認を受けた指定中小企業者である法人が有する機械等については従来どおり適用。
(7)特定再開発建築物等の割増償却 ○都市再生特別措置法の認定計画に基づく都市再生事業により整備される建築物に係る措置について、対象となる認定計画に同法の規定により公表された都市再生事業に関する事項が記載された整備計画を含めることとされました。 平24.4.1以後に取得等をする特定再開発建築物等について適用。
(8)事業革新設備等の特別償却 ○適用期限が平成26年3月31日まで2年延長

第1編 3 引当金・準備金制度に関する改正

改正事項 改正の内容 適用時期等 様式
(1)貸倒引当金勘定への繰入限度額 ○貸倒引当金制度について、その適用を受けることができる法人の範囲に、株式会社東日本大震災事業者再生支援機構が追加されました。 平24.4.1以後に開始する事業年度分の法人税について適用され、同日前に開始した事業年度分の法人税については、従来どおり適用。

第1編 4 資産譲渡等の場合の課税の特例制度に関する改正

改正事項 改正の内容 適用時期等 様式
(1)土地の譲渡等がある場合の特別税率 ○適用除外の対象となる売渡し請求等に基づくマンション建替事業の施行者に対する土地等の譲渡について、その対象が施行再建マンションの住戸の規模及び構造が一定の基準に適合する場 合のそのマンション建替事業の用に供する土地等の譲渡に限定されました。 平24.4.1以後に開始する事業年度分の法人税について適用され、同日前に開始した事業年度分の法人税については、従来どおり適用。
(2)特定住宅地造成事業等のために土地等を譲渡した場合の所得の特別控除 ○特別控除の適用対象となる特定の民間住宅地造成事業等のための土地等の譲渡について、その対象から一団の住宅建設に関する事業に係る土地等の譲渡が除外されました。
○一団の宅地造成に関する事業の用に係る土地等の譲渡の適用期限が平成26年12月31日まで3年延長されました。
平24.4.1以後に行う土地等の譲渡に係る法人税について適用され、同日前に行った土地等の譲渡に係る法人税については、従来どおり適用。
(3)特定の資産の買換えの場合等の課税の特例 ○長期所有の土地等に係る措置について、適用対象となる買換資産のうち土地等の範囲が特定施設(事務所等の一定の施設をいいます。)の敷地の用に供されるもの(その特定施設に係る事業の遂行上必要な駐車場の用に供されるものを含みます。)又は駐車場の用に供されるもの(一定のやむを得ない事情があるものに限ります。)で、その面積が300平方メートル以上のものに限定されました。 また、その買換資産のうち貨物鉄道事業用の機関車の範囲から専ら車両の入換えを行うため使用されるものが除外されました。
○長期所有の土地等に係る措置について、適用期限が平成26年12月31日まで3年延長されました。
平24.1.1以後に資産の譲渡をして、同日以後に取得をする資産について適用され、同日前に資産の譲渡をして、同日前に取得をした資産又は同日以後に取得をする資産及び同日 前に資産の取得をして、同日以後に譲渡を する資産については従来どおり適用。 別表十三(五)

第1編 5 税額の計算に関する改正

改正事項 改正の内容 適用時期等 様式
(1)試験研究を行った場合の法人税額の特別控除 ○試験研究費の増加額に係る税額控除又は平均売上金額の10%相当額を超える試験研究費の額に係る税額控除を選択できる措置の適用期限が平成26年3月31日まで2年延長。
(2)中小企業者等が機械等を取得した場合の法人税額の特別控除 ○中小企業者が機械等を取得した場合の特別償却(上記2-2の(1)参照)と同様の改正が行われました。 上記2-2の(1)と同じ適用時期 別表六(十二)
(5)雇用者の数が増加した場合の法人税額の特別控除 ○適用要件について、適用年度開始の日の前日における雇用者数が零である場合には基準雇用者割合による判定を行わないことが明確化。

第1編 6 その他の改正

改正事項 改正の内容 適用時期等 様式
(2)国庫補助金等の範囲 ○国庫補助金等で取得した資産の圧縮記帳制度における国庫補助金等の範囲に、公共用飛行場周辺における航空機騒音による障害の防止等に関する法律に基づく新関西国際空港株式会社の補助金が追加。 平24.7.1以後に交付を受ける補助金について適用。
(3)適格合併等による欠損金の引継ぎ等 ○適格合併等が行われた場合のみなし欠損金額の帰属事業年度について、これを明確化するための所要の整備が行われました。
○特定資産譲渡等損失額に相当する金額の計算の対象外となる帳簿価額が1,000万円未満の資産であるかどうかの判定時期について、最後に支配関係があることとなった日の属する事業年度の開始の日であることが明確化されました。
(7)交際費等の損金不算入 ○適用期限が平成26年3月31日まで2年延長 別表六(十五)
(8)使途秘匿金の支出がある場合の課税の特例 ○適用期限が平成26年3月31日まで2年延長
(9)中小企業者等以外の法人の欠損金の繰戻しによる還付の不適用 ○適用期限が平成26年3月31日まで2年延長
(11)復興特別法人税における基準法人税額 ○基準法人税額の計算について、使途秘匿金課税制度の延長に伴う所要の整備が行われました。 平24.4.1から施行されます。